前回の記事「フィルム写真(3)ー 最初のフィルムスキャナ導入の結果・・・ ー」で Nikon の COOLSCAN LS-1000 では取り込みの時間と手間がかかり過ぎて、自分が想定してる作業*1を運用していくのが困難なことがわかりました。
画像:Wikipedia より
しかし、なんとしても写真をパソコン上で整理・活用したいという気持ちから、他のフィルムスキャナの検討を始めました。
*1 撮影した写真は善し悪しにかかわらず、いったんすべて取り込んで、整理はパソコン上で行たいと思っていました。
目次
目指したのはフィルム一本の連続取り込み
当時、写真一枚(一コマ)を高解像度(2700dpi)で取り込むのには、とにかく時間がかかるということは、LS-1000 で実践してみてよくわかりました*2。
ですので、フィルム一本分(36枚)を手動で一枚ずつ取り込んでいくのは現実的ではないと思いました。
そうなると、カメラ屋でフィルムのデータ化サービス(スキャンして CD に焼いてくれる)を利用するか、オートローダが使えるフィルムスキャナで自動取り込みするしかありません。
フィルムのデータ化サービスの価格と提供されるフォーマットを調べてみたのですが、なかなか高価格な上にパソコン上でも扱いにくそうだったのであきらめました。
そして「フィルム一本(36枚)を自動取り込みできる」スキャナを探すことにしました。
*2 多分、1997 年頃だったと思いますが、十数年前のことで記憶にちょっと自信が持てないため、若干、年は前後するかもしれません^^;
LS-2000 を徹底的にリサーチして購入
前回の失敗から慎重にリサーチした結果、やはり LS-1000 の上位機種である LS-2000 が最終候補に残りました。LS-2000 にオプションのオートローダをつければ、連続 50 枚までのマウントフィルムの取り込みが可能になります。
この時、一番問題となったのが価格でした。はっきりした価格が思い出せないのですが、確か LS-2000 本体が割引を入れて 16 万円位、オートローダは割引があまり効かず 4 万 5000 円位だった気がします。合計で 20 万円以上の金額だったと思います。
しかし、この先の写真ライフ(大げさですね…)のことを考えて、思い切って購入してしまいました。
フィルム一本の自動取り込みに成功
LS-2000 本体とオートローダが到着して設置作業に入ったのですが、最初にこの 2 つの製品を見て「どうやったら、この 2 つが組み合わさるんだろう?」と思いました。
それほどオートローダの形が変わっていたのです。説明書をじっくり読むと、単体の時は横置きで使う LS-2000 を、フィルム挿入部が上に来る状態で縦置きにして、オートローダと結合させるようになっていました。
実際の製品の画像が残っていなくて紹介できないのが残念なのですが、オートローダと組み合わせた状態だと LS-2000 がまったく別のスキャナに見えました。
機器のセットアップが終わって、取り込みアプリの Nikon Scan で設定を行うと、無事にオートローダを認識してくれました。
そして、36 枚のマウントフィルムをオートローダにセットしてスキャンボタンをクリックすると、ついにオートローダを使ったスキャンが開始されました。
マウントフィルムがオートローダから LS-2000 に送り出されてスキャンされます。スキャンが終わると LS-2000 から押し出されて排出され、次に控えていたマウントフィルムがまた LS-2000 に送り込まれます。
始めたのが夜遅かったこともあり、2 〜 3 枚、無事に自動スキャンが進んでいることを確認して、あとはスキャナに任せて就寝しました。
次の朝、スキャナを見てみると、無事に 36 枚のマウントフィルムが排出側に移動しており、パソコンの中には取り込み済みのデータが入っていました。
この時は、嬉しいのと同時にすごくホッと安心したのを覚えています。
撮影〜取り込みの作業が起動に乗った
オートローダを使って、フィルム一本分の自動取り込みが可能になったのですが、やはり 36 枚を取り込むのにはかなり時間がかかりました。
スキャナが LS-1000 から LS-2000 になって、スキャン速度はだいぶ上がったのですが、スキャンアプリである Nikon Scan の機能も向上しており、自動ノイズ除去などのスキャン後の補正機能を適用すると、やはり 1 枚あたりの処理時間が伸びてきます。
スキャン時間とスキャン後の補正処理の時間を合計すると、だいたい 1 枚あたり 10 分〜 15 分くらいかかったように思います。
1 枚 12 分とすると、フィルム一本(36枚)では
12 分 × 36 枚 = 432 分(約 7.2 時間)
かかる計算になります。
ですので、寝る前にセットしてスキャンを開始すると、翌朝に終わっている感じでした。
時間はかかりますが、その間に人の手が入ることはなかったので、急ぎの時以外はまったく問題なく取り込み作業を進めることができるようになりました。
ここに行きつくまでに遠回りもしてしまいましたが、これ以降は
- GR1 で写真を撮る
- 現像する(マウント形式)
- LS-2000 + オートローダで一気にスキャン
という流れができて、パソコンにどんどん撮影した写真が増えていきました。
このサイクルは、次のフィルムスキャナ COOLSCAN 4000ED(LS-4000ED)が発売されるまで続きました。
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